変化の時代、専門性を武器に、明日を拓け! 第19回卒業証書授与式
2016年3月12日、第19回卒業証書授与式が挙行されました。健祥会グループ創立20周年を記念して作られた徳島健祥会福祉専門学校イメージソング「こころ・・・21」の流れる中、介護福祉学科54名、理学療法学科25名、作業療法学科23名、保育福祉学科9名、計111名の卒業生が入場。開式に先立ち、本年2月19日に逝去された前校長齋藤史郎先生に黙祷を捧げました。 式典では、社会福祉法人健祥会理事中村晃子の開式の辞、国歌斉唱に続いて、学校長武田英二より卒業証書を授与。社会福祉法人健祥会理事長中村太一よりの記念品も手渡されました。 111名の前途を祝し、理事長、学校長から以下の言葉が贈られました。
社会福祉法人健祥会理事長 中村太一告辞(抜粋)
本学園はこれまでに2400名余の有為な専門職を世に送り出しており、皆さんは本学創設20年という節目の卒業生です。そして、聡明で慈愛に溢れた齋藤史郎前校長のもとでの学びは得難い経験であったことと思います。専門職としての職業倫理はもとより、社会正義、歴史への眼差し、そして時代の風を読むということについて、繰り返し皆さんに語ってくださったことを大きな財産として、心に記して歩んでください。
齋藤先生はじめ、多くの皆様方のお支えいただきながら、常に時代の先を見据えて人材育成に取り組んできた20年をひとつの区切りとして、本学園は新たなエポックへと向かいます。そのひとつとして本年4月、2年制の保育学科を創設、時代の要請に応えて、保育士の養成にもさらに注力してまいることになります。また、健祥会グループの高齢者施設の利用者様にご協力を仰いで、武田英二校長のもと、サルコペニアと栄養の関係性の調査研究にも取りかかります。10年先20年先を見据え、新たな学校の姿を描くとともに、卒業生の皆さんのバックボーンとして、情報発信に努め、その専門性をサポートしてまいりたいと考えています。
すべての人がそれぞれに自分の能力を発揮し、輝いて生きる社会〜「一億総活躍社会」〜実現のために、皆さんがめざす介護・医療・保育の分野には今、大きく光が当たっています。社会の期待に応えるために、生産性を向上させながら高品質な福祉サービスをつくっていかねばならず、皆さんの役割はいよいよ重く大きくなっているのです。
皆さんの生きる時代は、変化の時代です。労働市場のグローバル化が進むとともに、ボーダレスの世界で多様な人材が競い合う時代です。この時代を生き抜くためには、専門性こそが大きな武器になります。世界の情勢も日本の政治・経済、そして社会保障制度の行方も混沌としています。しかし制度がどうあろうとも、すべての職の専門性の向上こそが課題であることに変わりはなく、たゆまぬ進化刷新が求められています。
どうか現場を大切に、それぞれの現場で利用者本位のサービスを提供しながら、専門職としての誇りをもち、より高い専門性を追求し続けてください。意志を強固に、心に人としてのぬくもりを持ち、いつもどこにあっても本学園で育てた福祉の心と礼儀と感謝を具現化できる人でいてください。そして、専門の殻に閉じこもることなく、多様化する社会の変化をしっかり捉えながら、前へと進む「進化」、深く掘り下げる「深化」、そして専門職としての「真価」、みっつの「しんか」で自らの明日を拓いていってください。
どの国も経験したことのない超高齢人口減少社会・日本の行方を、世界が注目しています。後に続く国々のお手本となる社会の姿を描けるかどうかは、皆さん方一人ひとりの肩にかかっています。この国の明日を担う専門職として、社会的責務を認識し、倫理観を持って業務に携わり、それぞれの道をしっかりと歩んでください。新しい時代は皆さん方を待っています。
学校長武田英二式辞(要約)
皆さんは本学での学びの中で、高度な専門知識と技術を修得するとともに、創始者中村博彦先生の建学の精神に基づく「心の教育」により、弱者への心を涵養してきました。本学で得たものをこれらをどう生かしていくか、自ら考えながら、明日から現場で実力を発揮してください。皆さんを送り出すにあたって、3つの要望を伝えます。
- 1.本学園で確立したよき生活習慣とコミュニケーションの力を基盤として、多くの友と尊敬し合い、高め合い、永遠の仲間としてコミュニケーションを築き続けてください。そして卒業後も、嬉しい報告に、苦しみの相談に、折に触れ母校を訪ね来てください。
- 2.毎日社会からの試験を受けていると思って、コツコツと努力を重ねてください。現場では難題にも突き当たるでしょうが、大切なのは常に多方面から情報を得続けること。英語力も鍛えて、世界から発信される情報をいち早くたくさん得ながら、自分自身で考える力を育んでください。
- 3.10年後、20年後、どのような人生を送っているかを考えながら歩んでください。考えのないところに進歩はありません。夢を語り、未来の姿を描くことで自分を磨いていってください。功成ったときにも道徳と倫理観をしっかり持ち続けていてください。
学校は、いつもいつまでも皆さん方の心のプラットホームでありたいと願っています。皆さんが明るく充実した人生を送ってくださることを祈念し、お祝いの言葉とします。
感謝を胸に、夢に向かって新しい一歩を
本学園同窓会副会長からの祝辞、在校生代表からの送辞を受けて、卒業生代表が「苦楽を共にし、心から信頼し合えた仲間、全力で指導くださった先生、実習でお世話になった患者様や笑顔をくれた子どもたち、愛情を持って見守り応援し続けてくれた家族、たくさんの方々のお支えがあって、今日の私たちがあります。この学校での学びを誇りに、胸を張って、専門職としての道を歩みます」と答辞を述べました。
健祥会楽団の演奏にのせて、「蛍の光」「仰げば尊し」が健祥会パートナーに響き、最後に「健祥会の歌~舞踏会~」の流れる中、学校祭、体育祭、実習、研修旅行、国家試験勉強など、学び舎での思い出がスクリーンに映し出されました。県内の高等学校校長をはじめとする来賓の皆様、保護者の皆様、教職員、在校生に送られて、111名の卒業生は、お世話になった様々な方への感謝を胸に、夢に向かって新しい一歩を踏み出しました。
卒業生からは「本館2階憩いのコーナーの環境整備」が卒業記念品として寄贈されました。卒業おめでとうございます。皆さんのすばらしき明日に期待します。頑張ってください。